1時間くらいたったかな

叔父夫婦が出てきた


「待ってて下さったんですか!!」

「ええ、様子は?」

「辛そうでした……話とか出来る感じじゃなくて……
それでも、こちらに微笑むあたり、結らしいというか……
医者の話では、もう心配いらないそうです
ご心配お掛けしました」

「そうですか!よかった!!
一般病室に移ったらまた、面会させて下さい!
では、失礼します!」

森田の背中を押して、病院を出る


「佐山、ありがとう」

「は?」

「俺、何も言えなくて……」

「俺、一応大人なんで!ほら!乗れ!」

車に乗ってから、森田が呟いた

「怖かった……」

「ばーか!俺もだよ!!」

「結が健ちゃんとこ行くのかなって…」











「森田…俺、結と寝た」

「はぁ!!??」

「結が、誰にも愛されずに死ぬかもしれないから、抱いてくれって」

「……」

「断れなくて…惚れた弱味ってやつ?
責任とって結婚したいって言ったとこ
お前に見られて
あの後、中学の時に助けてくれた人のこと聞いた
ずっと好きなんだって…
ボンボン男、森田で間違いないんだろ?」

「ボンボンは、俺だけど…
中学は覚えてないんだ…マジで…」

「ヒーローだって言ってたぞ?」

「人違いだったりして……」

「んな訳ねぇだろ!俺が結をとるぞ!?」

「え!ダメ!わりーー!!」

「さっさとくっつけよな!!
死ぬ覚悟で、俺に抱かれたのに、生きようって思ったのは、お前の存在があったからだ!お前さぁ、見てるだけとか絶対に、後悔するからな!!」

「うう…ムカツク……」


森田は、結のヒーローだ

「こっちのセリフです!
所詮、俺は先生だからな…」


久しぶりに〝結〟って言った


そう……先生でしかないんだ


七瀬が見ているのは、森田だけ……


だけど…もう少し、好きでいさせて欲しい


キモイとか言うんだろうな……