バシーーーン!!

かなりのいい音が響く


すぐに騒ぎになり、先生らが動く

生徒指導の先生が、結の頭を鷲づかみして引きずるように連れて行く

看護科の子らが、先生に何か言っている

なにがあったかわからないまま

ただ、連れていかれる結を見てた


本鈴がなり、佐山が教室に入る

授業が始まった

しばらくして結が教室に戻ってきた

左頬がかなり痛々しい

殴られたのは、結だった


「保健室いていいぞ。冷やしてもらえ!」

佐山が何事もなかったように言う

無視して席につき机に伏せる

男ばかりのクラスだし、視線が痛いわな

なんか中学生の頃の俺みてぇ

皆が結を見てるからか


「授業はここまでにして、少し話をする」


佐山が部活について語りだす

高校時代、バスケ部で頑張ったこと

スポーツを通して自分の考えがかわったこと

仲間とのつながりとか

佐山のことちょっと好きになったかも

熱血教師とか、うけるけど

俺、佐山が担任でよかったかも…

佐山が結の所に行き


「聞いてるか?」

と頭をポンとした



結の手がだらんと下がる



「おい!!七瀬!!」


佐山が結を上半身を起こすと大量の鼻血出して意識がなかった


「保健委員ドアあけて、着いてこい」


いわゆるお姫様抱っこで、佐山が結を連れて行く


ざわつく教室…


「恭、行ってこいよ!」

「俺行ってなんになんだよ」

そう…

何もしてやれない…

俺はまだ名前すらおしえてない



結の机から血がポタリと落ちた



カバンから使ってないタオル出して

水に濡らした

ざわつく教室の中、結の机を綺麗に拭いた

こんなことしかできない…情けねぇ