結と佐久間は、どんどん仲良くなる


いつも、手を繋いでいる


結も、よく笑うようになったし…


「はぁーー」

「恭!朝からため息かよ?」


卒業式に結が、佐久間を選んだら…

とか、思うだろ?

だいたい! 結に言われたなら待てる!

佐久間が結を好きになって
結も佐久間を好きになって

両思いになったら…

俺…邪魔だろ?


「浩一は、舞ちゃんとどうだ?」

「え?ああ…まあな…」

「なんだそれ?」

「いやぁ…」

「お前に気を使われるとか、ヘコむ」

「わりぃ!うまくいってる!」

「そりゃ、なによりです!」

「俺…自信ないんだ…」

「この状況で、自信満々でいられる奴とか、いないだろ?
恭は、すげえよ!
ずっと七瀬を思っているんだ!
佐山が言ってたよ…
俺のが七瀬のこと好きなのに、七瀬は森田を好きなんだよなぁーって!」

「佐山のバカヤロウ」


ほんとに教師かよ…


「どうせ、七瀬を諦められないんだから、待つしかないだろ?今は…
理由がわかれば、形勢逆転できるかもな?」




…聞いても言わないだろうなぁ




「はぁーー」




あっ…


ため息ついたら


結にお見送りして貰ったことを思い出した



そういえば…



俺の選んだゴム、使ってねぇな…



「はぁーー」


「大丈夫かよ?」


「俺…重症」


頭の中が、結ばかり

どんだけ好きなんだよ…

俺も手を繋いで歩きてぇ


「はあーー」


「きゃははは!!結ヒヨコみたい!!」

「うるさい!!」

中庭を見る

佐久間の手を掴んで、ぴょこぴょこ歩き

うん

ヒヨコだな

右足を痛めたらしい


いつもの6人で朝から、ジュース


大声で騒いでいる


「痛いんだから!!」

「ククククッ」

「もう!!祥斗いつまで笑うの!!」

「だって…ぷふ」

「「ぷぷっ」」

「てっちゃん!さなちゃんまで!!」


「よう!どうした?」

佐山が話しかける

「おはようございます!
ぷぷっ!!朝、自分の足に躓いて捻挫!」

「言わないでよ!///」

「運動神経の塊が!ヒヒッ」

「ヒヨコみたいに歩くの!ぷはっ」

「バターンって!!あははっ」

「言わないでー///馬鹿にされる!」

佐山が結の頭に手を置いて

「気をつけろよ!」

「/////」

それだけ言って、教室に向かってくる


ずるい!!

職権乱用!!

教師だから、話しかけやすい!

佐山は、やっぱり!ライバルだ!!


佐山にだって… 真っ赤な顔するじゃん!


佐久間は〝祥斗〟って呼び捨てだし



「はあーー」