「カフェ・ひるさがりです!ブレンドコーヒーをお届けに参りました。」
会議室1に、1つのテーブルを囲んでいたのは、スーツ姿の男性2人に女性1人。
注文のブレンドコーヒーは3つ。
『ぁあ、ありがとう。時間ピッタリに来てくれるなんて、さすがだね。』
鋭い視線が一気に私のほうに向く中、一人の柔らかな声が耳に届く。
「いえいえ。こちら、マスターこだわりのブレンドコーヒーでごさいます。」
まずは、私に紳士的に声をかけてくれた50代くらいの男性の前にブレンドコーヒーを置く。
次に、その男性の横にいた50代くらいの女性に。
そして最後に、二人よりも年配だが、年齢を予想できないほどのいかつい男性にブレンドコーヒーを運んだ。
3人の視線は痛いのだが、特に最後の男性からの視線に威圧感を感じる。
とにかく、棘がある。
私をあまり見つめないでと、切に思った。
「御注文は、以上でよろしいでしょうか?代金は、630円にでございます。」
『ん、はい。』
一番物腰柔らかな男性から、千円札を差し出され、すぐさま代金袋からお釣りを取り出す。
「千円、お預かりいたします。お釣りは370円です。お確かめください。」
よし、終わった!
そう思って、笑顔で退室しようとしたその時だった。
『このブレンドコーヒーは、どの豆で挽いてるのかね?』
威厳ありまくりのいかつい男性が、重い口を開いた。

