『今からでも遅くないよ!彼に会いな!』
「えー…。」
『えー、じゃない!』
もう薫様は完全にお叱りモードだ。
でも、もう一度彼に会うなんて、全然乗り気になれない話だった。
それに、
「いいよ、別に。それに、相手の連絡先も知らないし。」
『はぁっ!?』
「あっちも私の名前も知らないんだから。」
『ウソでしょっ!?』
有り得ない…と一言つぶやいた薫は、今度は放心状態に入った。
いつも思うけど、感情の情緒、激しいよねー、薫って。
『連絡先わかんなくてもさ、彼の素性は知ってるんだから。会いに行きなよ。』
「嫌よ、そんな誰でもわかる迷惑行為。絶対に嫌。」
『茉央が会いに行かないと、何も進展しないよ?』
どうしてこうも、薫はそんなに私の恋事情に御熱心になっているのだろう。
私よりも熱いよ。

