――翌日。
『はぁっ!?プロポーズされた!?あの、小鳥遊煌に!?』
「っ、声がでかいよ!薫!!」
『だって…!だって!』
いつも2人で夜更けまで飲む居酒屋で、私は昨日起こった出来事を、薫に包み隠さず話していた。
まぁ、そりゃぁ驚くわな。
私に言い寄ってきたのが、あの小鳥遊グループの御曹司だったんだから。
『それに、逃げてきたってどーゆうことよ!?』
「か、薫近いよ…。」
『いいから話しなさい!』
「……はい。」
生ビール4杯も飲んで、相当酔っぱらっている薫の命令に、拒否権はないことは知っている。
ビールを煽りつつ、私は今朝のことを話し出した。
昨日の夜、彼と今までにない熱い夜を過ごした私は今朝、酷使しすぎた体に鞭を打ち、目を覚めた。
横にはぐっすりと綺麗な寝顔を私に向けた彼が眠ってた。
彼の寝顔を見つつ、思う。
これは、一回限りの夢なんだって。
一般庶民の私が、こんな大企業を背負って立つ御曹司を想ってはいけないことくらい、万人が持っている常識だった。

