「やっぱり、む――」
『逃げんなよ。』
「っっ」
今まで、なんとか彼の目を見ないようにと避けて目を泳がせていたのに。
頭をがっちりホールドされたら、彼の目を見ないわけにはいかなくなる。
ダメだと分かっているのに――彼に惹かれてしまう自分がいるからイヤなのに。
「っ――離して。」
『離さないって言ったろ?』
「だからっ――ん!?」
お互いの前髪が触れ合うくらいの近距離で、唯でさえ耐えられないのに、私の唇を奪う、温かい彼の唇に、驚きを隠せない。
ダメ、ダメ、ダメなのに――っ
「んっ、んんー!」
この人――上手すぎる。
私だって、ディープキスくらい初めてじゃないのに.
なのに、彼の上手すぎるキスに、まるでこれが初めてかのように私は流されるだけ。
抵抗も出来ずに、震える私の手は、彼のシャツを掴む。

