「あのっ、一体何なんですか…!」
連れてこられたのは、綺麗な夜景が見えるテラス。
少し冷えた風が心地いいけれど、そんなの気にしていられない。
目の前にいる男が何を考えているのか、まったくわからない。
『何って?』
「私のこと、放っておいてもらえませんか?ココに入られたことは感謝してますけど、」
『感謝してるなら、いいよね?』
「……え?」
出会った時から、頭のどこかで思ってはいたけれど、あえて抑えていたけれど、もう限界。
私とこの人の会話、全然噛み合ってない。
『決めた。お前、俺の花嫁になれ。』
「・・・は?」
できることなら、これは夢だと思いたい。
今――この人、なんて言った?

