生意気boyに恋したアタシ。



ったく、しょうがないな―――。


「わーかったから!やるやる。
だから、泣かないでよ」


ね?とママを促す。


「…本当?ありがとー♪
さすが自慢の娘だわっ」


そう言うと鼻歌を歌いながら夕飯の支度を始めたママ。


ちょっと…さっきの涙はどこに消えたんだ……?




そんなこんなでママに弱いあたしは家庭教師のバイトを引き受けたんだ――――。












ガチャッ!!

勢いよく開いた玄関のドア。


勢いよく開いたもんで頭に見事にゴツンとぶつかる。



「ったーい」

「あら、ごめんなさい。どちら様でしょうか?」


「あ、あのっ!
今日から家庭教師をさせていただく日向莉鈴ですけど…」



女の人は一瞬、?を出して思い出したように


「あぁ~~!!すっかり忘れてたわ。莉鈴ちゃんよね?
どうぞ、入って入って♪」



そう言うとスリッパを出してあたしをリビングに通した。