夏期講習。塾に入ると、私語厳禁の言葉に息をのむ。つまり、5時間しゃべるなってこと。おしゃべりな私にとっては、無理と言う言葉がひとしかった。座席を確認すると、前の席の人の名前を見る。笠原 真史 新しい子なんだろうな。話てみようかな?「ねぇ、あのさ・・・わ、私金沢って言うの。笠原君だよね?よろしく!」
そしたら、こうかえしてくれたんだよ。私の大好きな笑顔で。「うん!よろしくな!」って。それから先生の目をぬすんでくだらない話をするのがとても楽しくて、仲良くなって、笠原君から、笠原になった。そのときだとおもう。あなたの笑顔が、笠原が好きなのかもって気付いたのが。でも、告白しようとは、思わなかった。今の関係を、崩したくなかったから。それがいちばんの理由だと思う。そうやって悩んでる私とは、つゆ知らず、笠原は、今日も話かける。私は、頷きながら、笑ってるのだった。