「うわっ!!」







-キ―――――っ!!!!-







-ドン……-






























「………お、美潮!」
「ん……」



ゆっくり視界に入る光。瞼が重い……。




「良かった!お父さん先生呼んできて!」




お母さんの声。朝?学校行かなきゃ……




「美潮?分かる?お母さんがわかる?」




視線を向けると目に一杯涙を溜めたお母さんの顔。
ゆっくり頷く。
その後ろに見えるのは知らない無機質な空間。遠くから聞こえるカチャカチャ金属が擦れる音。





「ここ………どこ?」



自分の部屋じゃない。なんでこんなとこにいるの?




「病院よ。昨日の夜事故にあってずっと眠ってたのよ。」


ハッとした。
そうだ。私徹と海に行くつもりで……そしたら前からトラックが突っ込んできて……

最後に聞いた徹の叫び声とバイクのブレーキ音、そして体に走る鈍い衝撃。


それが最後の感覚。
その後は何も分からなくなった―――――。




「そうだ。徹は?無事なんでしょ?別な病室?」

「……………」

「ねぇ」


お母さんの顔が辛そうに歪む。不安が胸をよぎる。



「徹くんね……亡くなったの。助かったのはあなただけ」

「う……そ」





徹が?あの徹が死んだ……?嘘だよ。だってさっきまで一緒に居て笑ってた。




「嘘!」




-ガッターン!-




「美潮!落ち着いて」



ベッドから起き出そうとしたけど身体が付いてこない。そのまま点滴と一緒に倒れ込んだ。溢れる涙で視界がかすんでいく。





「いや……徹」

「美潮落ち着いて。ほらベッドに…」

「徹…徹!いやぁっ!」




止めに入るお母さんを振りほどいて徹の元に行こうと必死だった。どこかに居る気がして早くその胸に飛び込みたくて……。