こいつは、どういうわけか、こういう何かありそうな子どもを連れてくるよな。


ま、今どき、何にもなさそうな子どもを連れている人の方が、天然記念物もんだけど。



考えながら、純は辺りを見回した。



この子供の持ち主が、そろそろ来るはずだ。



偶然、何となくひかれて。



そう言いながら来る客の6割は、実はこの目に見えない子どもに導かれて、ここに来ている。



待っていると。



真面目そうな女性が、絵の前に立ち止まった。