たまたま、喧嘩相手が刃物を持っていた。
刺された脇腹の傷は浅かったけれど。
流れてくる血は、熱くて、痛みと疲れで、動く気力もなかった。
なるように、なればいい。
そう思って、暗い公園のベンチにうずくまっていた時、通りかかったのが俊介だった。
さんざん悪態をついた純を、俊介は抱えるように病院に運んで、傷を治療した。
その治療は、少し荒っぽかったけれど、不思議と、純には心地よかった。
「金なんかねぇぞ」
「みりゃわかる。ボランティアだ。3日分、痛み止めと化膿止めを出してやるから、飲み終わったら抜糸に来い。受付なんか通るんじゃねぇぞ。ごまかせねぇかんな」
口の悪い、だけど優しい医者。
なんだか、胸の奥がざわざわして、どうすればいいかわからなくなった。
こんなはずない。
純のことを、認めてくれる人間なんか、いるはずがなくて。
他人は皆、純を傷つけ、おとしめることしかしないはずで。
なのに。
刺された脇腹の傷は浅かったけれど。
流れてくる血は、熱くて、痛みと疲れで、動く気力もなかった。
なるように、なればいい。
そう思って、暗い公園のベンチにうずくまっていた時、通りかかったのが俊介だった。
さんざん悪態をついた純を、俊介は抱えるように病院に運んで、傷を治療した。
その治療は、少し荒っぽかったけれど、不思議と、純には心地よかった。
「金なんかねぇぞ」
「みりゃわかる。ボランティアだ。3日分、痛み止めと化膿止めを出してやるから、飲み終わったら抜糸に来い。受付なんか通るんじゃねぇぞ。ごまかせねぇかんな」
口の悪い、だけど優しい医者。
なんだか、胸の奥がざわざわして、どうすればいいかわからなくなった。
こんなはずない。
純のことを、認めてくれる人間なんか、いるはずがなくて。
他人は皆、純を傷つけ、おとしめることしかしないはずで。
なのに。


