どんな扱いをされるのか内心震えていたが
それは杞憂に終わったらしい。

存外丁寧にもてなされ、更には食事まで
ごちそうになった。



「それで、君達はどこから来たんだい?」

「日本から」

「ニホン?」



聞きなれない国名に、怪訝そうな表情で
首をかしげるレオにここまでの経緯を
全て話した。

仲間といつも通りにつるんでいたはずなのに
いつの間にかこの近くの森にいて、
山賊に襲われたこと。

それを倒して街まで案内させたこと。

もしかしたら仲間たちもこちらに
来ているかもしれないということ。

そこまで話して、私ははっとした。



「兄さん…」

「あっ…和泉君もそういえば…やべぇな…」

「ん?なんの話だい?」

「こっちでは私のような黒髪は希少ゆえに
危険だと聞いた。もし私の兄もこっちに
来ているとしたら…」

「なるほどな…お兄さんも目は黒?」

「あぁ。」

「そっか…なおさらまずいな…」

「どういうことだ?」



聞けば、黒髪にもランクのようなものが
あるらしい。

私のように目も髪も黒い者は本当に少なく
神聖視されるケースもある。

ただし運が悪ければ愛玩用の奴隷として
高値で売られるそうだ。

しかし、目が別の色であればその価値は
半減するらしい。

また、目が黒で髪が他の色ならば大した
価値はなく、特別視されることはないという。


「運が悪いっていうのはそうだな…
治安の悪いところでは、そうなる確率が
高まると思ってくれた方がいい」

「治安の悪いところ……?」

「」