「このままじゃお前、ただのヘタレキャラだぞ」
「──ちょっとアル、あんた誰の味方なの?」
痺れを切らしたとでも言うべきだろうか。
ハルキを応援するアルゼフが、シズルには面白くない。
少しくらい背中を押すのは許容範囲内ではあるが、さっきまでの会話は明らかにアルゼフはハルキの肩を持っている。
「そういうシズは、本気なの?」
カウンターの向こうに立ったままのシズルに、アルゼフはいつになく真面目な顔付だ。
「……酷い言い方するのね」
「俺さ、今日ずっと考えてたんだ。誰かを好きになる気持ちに強い弱いも優劣も無いけど、あと少し踏ん張ればどうにかなるかも知れないなら、少しくらい手を貸しても良いかなって。シズはさ、ハルとはちょっと違うでしょ」
「勝手に決め付けて知ったかぶらないで」
「俺は、知ってるよ。だって──」
アルゼフがそこまで言いかけた時。
ハルキのスマホが着信を知らせた。
「もしかしてサユコちゃん?」
くるりとハルキの方へと向き直ったアルゼフは、出ようかどうしようか迷っているハルキからスマホを取り上げると、通話ボタンを押してハルキに返した。
「……ちょっ、アル!」
「早く出てやんなって」
アルゼフは、明らかに作った笑顔でウインクをかましてやる。
怒る気にもなれず、ハルキは仕方なく「もしもし」と応対した。


