…指摘された箇所の訂正をすべて終わらせ、再度プリント。

ビクビクしながらそれを持って金崎部長の下へ。
「金崎部長、出来ました」
「・・・ん」

ササッと目線だけを動かす。
…終わった?その書類をおろすと、また自分の仕事に戻る。

…出来てたの?…ダメだったの?
何も言わないのでどうしていいかわからず、黙ったまま金崎部長を見つめた。

「…そんなとこ突っ立ってないで、仕事しろ」
不機嫌な顔で呟いた金崎部長。

「・・・あの」
「・・・なんだ?」

「その書類、OKなんでしょうか?」
小さな声で呟く。

「あ?・・・出来てるから何も言わないんだろ?そんな事も分からないのか?」
「・・・!」

その言葉にカチンとくる。
貴方と私は今日知り合ったばかりです。貴方の言動など全く読めません。

「それ以外に、なんかあるのか?」
「金崎部長「あ、ひとみちゃん、これ手伝って!」

反論しようとしたら、葉月さんが私を呼んだ。

「呼んでるぞ…さっさと行け」
「・・・」
私は拳を握りしめ、踵を返すと、葉月さんの所に向かった。

「なんですか?」
私の言葉に、葉月さんは溜息をつく。
私はその意味が分からなくて、首を傾げる。

「反論も程々に、ね?」
「…葉月さん」

私を止めてくれてたんだ。

「私は真っ直ぐなひとみちゃんが好きよ?
これからもずっと一緒に仕事をしていきたいの。

だから、自分の気持ちを内に秘める事も覚えなさい、いいわね?」

葉月さんの言葉は最もだ。
すぐに感情的になる私はいけないよね。

私は葉月さんに頷いて見せた。
すると、葉月さんは嬉しそうに微笑んだ。