そろそろコンビニのお弁当も飽きてきた。


そして､母さんが出ていったのも､いつもと変わらない日だった。


「母さん､夜ご飯………………」


「はい。あ､あと母さん､出て行くから。

父さんによろしくね。」


ペチっと､五百円玉がまた腕に当たって落ちた。


そして､冷たい､なに食わぬ顔で出て行った。


今まで､逆に､出て行かなかった方がすごかったのかもしれない。


『この家は､冷たい。』


父さんは､夜遅くまで働いてたから､


次の日の朝気づいたらしい。


でも､直接俺には､何も言ってこなかった。


だから､俺も何も言わなかった。


こうして､暑すぎる夏に､『俺を愛さなかった母親』は出て行った。