靴箱を開ける。
今日は手紙は入っていない。
靴を履き替えて階段をのぼる。
女子すら今日は何も言ってこない。
「あ、の。」
同じクラスの女子2人が
私のところに来た。
「ー…。」
黙っている私に2人はコソコソ
何か話している。
何なのだろうか。
「鈴野さん、そのリップ何使ってるの?」
「え。」
意外な質問に戸惑いながらも
ポケットを探った。
「あ、これ。」
愛子さんにもらった
リップを見せる。
「うわ!!やっぱりだぁ!!
これ、新作の限定色なんだよ!!」
飛び上がって私の手を握る。
何なんだ今日みんな。
えらく話しかけてくるな…。
「私同じクラスの上田華。
なんか今日の鈴野さん可愛い。」
私より少し背の小さい子は
上田華とゆうらしい。
「華が鈴野さんを見て
限定色だって騒いで。
本人に聞いた方が早いとか…。」
メガネをかけた真面目そうな
女の子が笑う。
「私は平野恵。」
2人は笑って聞いてもいないが
名前を言ってきた。

