それでも愛してる。

と、インターホンが鳴る。


面倒くさいー…。

居留守を使ってしまおう。


そう思い黙っていると
また何度も何度もインターホンが鳴る。


諦めて私は玄関のドアを開けた。


ガッ!!


っと掴まれたドアに私は
慌てて締めようとする。


｢待って愛菜!!｣


その声に力が抜けた。


｢た、太陽?｣


見上げたそれは息を切らした
太陽の姿。


｢家にいてよかった。｣


どうして…。


｢どうかしたの?様子変だったし…。｣


どうして…。


｢何かされた?｣


どうして…。


｢愛菜?｣


どうして…?


｢帰ってー…。｣


｢え?｣


私は太陽の顔を一切見ないまま
小さくつぶやいた。


｢お願いだから私には関わらないで。｣


｢何あったんだよ?｣


ドアノブを掴む手が震える。


｢言わなきゃわかんないじゃん?｣


そう顔を近づけた太陽。


｢愛子さん。｣


そう私が言った瞬間
太陽はその一瞬で私から離れた。