私の恋は間違いでしたか?

本当はこの時、ちゃんと気付くべきだったのだ。

そもそも私は、ほとんどざっきーの相談にも乗っていない。

それにほとんど話したことのない近藤さんが、私個人に相談があると言うわけがないのだ。

この時の私はなんて馬鹿だったのだろう。

今更悔やんでも、意味がないのに。


次の日、近藤さんからLINEが来た。

”近藤です。わかりますか?”

”わかりますよ。どうかしたんですか?”

”特に何もないのですが、暇だったので。”

拍子抜けした。

あのやくざみたいな顔立ちで無口で、いかにも暴力団と仲がよさそうな風貌の持ち主が、私に敬語を使ってきたのだ。

”そうなんですか。なんで敬語なんですか?”

”女の人と話すのは慣れていないので。”

ぷぷっ。あの顔で女慣れしていない?

両手に美人なホステスを連れて歩いてそうなのに。

私は近藤さんの少し可愛い一面を知り、もともと相談があると聞いていたことも忘れて世間話をした。