「たまちゃん、もしかして、昨日のことまだ怒ってる?」



どことなく悲しげな表情を見せながら、彼はあたしの顔をのぞきこんでくる。



あたしは机に突っ伏して、無視を決め込んだ。



そっか、ごめんな、と小さくつぶやいて、彼はあたしの頭に優しく手を置いた。



その声があまりにも小さくて、あたしは彼を見上げた。


彼の後ろ姿がやけに悲しげに見えた。



ちょっとやりすぎたかな、と思いながら、あたしは彼の後ろ姿を見送った。




彼は自分の席に着いて、窓の外を眺めていた。