「ねえってば」 焦れたように彼があたしの髪を優しく引っ張る。 彼の指先が髪に触れた瞬間。 どき、と心臓が跳ねる。 彼にばれないように、小さく息を吐いて、あたしはまた彼から顔を背けた。 今日こそは絶対に相手してやらない。 固く誓った自分との約束。