みなとは、眼鏡っクイッとあげてから、またパソコンに向かい合った。 鳴り止め! いっそ止まってしまえ、私の心臓。 こんな音、絶対聞こえてる。 なんともいえない空気が流れて、私は軽く放心状態になった。 バカバカバカバカバカ もう、やめたい。 この人を好きにならなければよかった。 だけど、もう遅い。 「(すき)」 口パクで、大好きな背中に向かって言うと、少しその背中が揺れた気がした。