受験勉強でわからないところを教えてもらおうと、一人暮らしの広いアパートの部屋へ訪れたのだけれど…
「ねぇ、みなと… ねぇってば!」
まるっきり私を無視して、パソコンに向かって黙々と作業をしている様子の、幼なじみのみなとは、傍らにまだ湯気が上がっているミルクや砂糖もないブラックコーヒーを置いている。
まるっきり、教える態度なんかないじゃないか。
「もう!みなと!私昨日の夜メールしたよね?それで教えてくれるって言ったよね?なんでパソコンばっかりしてるのよー」
大袈裟に音を立てながらズンズンとみなとのテーブルに向かい、無言で向かいに座った。
