もそもそと動いて、寝転がりながら私と向かい合わせになった。 その至近距離に顔が赤くなる。 「ねえ…」 「ん…?」 ゆっくりと瞬きをしながら、抱きしめる力を強くする。 「私を抱き枕にしないで」 「…うるせー」 ああもう、なんでこの男は。 寝起きの少し掠れた声は、この距離でよく聞こえて、私の鼓動を操っているようだ。 大嫌いだ。 嘘。 大好きだ。 「…離して」 もう、これ以上は死んじゃう。