初恋の君は俺を忘れてしまいました。

公園へ・・・


公園へ入ってあたりを見回す。


滑り台の横のベンチに腰掛けている人影が見えた。


その人影はどこか遠く、を見ているようで、それでも何かを探すように夜空を見上げていた。


少しの間にだいぶ痩せて、前よりもとても弱く、もろく見えるのは気のせいなんだろうか?


「・・・沙菜?」


俺は沙菜と少し距離をとって、声をかけた。


沙菜は一瞬驚いた顔をしたけれど、また、夜空を見上げた。


「・・・久しぶりだね。元気だった?」


「ああ。」


聞きたいことは山ほどあるのに、何から聞けばいいのか、何を聞いていいのか、わからなかった。


どうして学校にこないのか。


どうして今まで俺を・・・避けていたのか。


「昂。私、明日学校に行くよ」


「・・・本当か?」


「うん。だから・・・前みたいに迎えにきてくれる?」


「・・・ああ。もちろん」


沙菜は前のようなうまい作り笑いはせず、ただ、下手な作り笑いで俺に頼んだんだ。


そのとき、沙菜がとても弱ってることに気付いた。


沙菜は、俺に助けを求めてたんだな。


救ってあげられなかったこと、まだ今でも後悔してるんだ。


もし、このとき沙菜の手を掴んであげられてたら・・・


沙菜は苦しまずに済んだんだろうか?


俺は、前と同じように沙菜の家へ迎えに行った。


そのときの沙菜は前のように笑っていた。


だから、昨日のあの下手な作り笑いでさえ、嘘だったと思ってしまったんだ。