とくに行くあてもなく近所のショッピングモールをブラブラする。

あ‥ここ‥元彼と来たな。
確かあの時は付き合いたてで手を繋ぐのもやっとで‥。

ここは‥初めておそろいのネックレスを買ってもらったお店。

服を選んでもらったお店‥。

どこに行っても元彼との思い出でいっぱいだ。
離れなれない。
忘れたいのに、こんなにも鮮明に思い出してしまう。

また泣き出しそうになった私は、早足でショッピングモールを後にした。


薄暗くなった外に少し寒さを感じながらも、近くの公園に腰をおろす。

もう少し厚着してくれば良かったかな。
4月とはいえ、夕方からはまだまだ寒い。

「はぁー‥‥幸せになんてなれるのかな」

こんなにも広い世界で、ちっぽけな私を見つけてくれる人はいるのだろうか。
先の見えない未来に不安ばかり覚えてしまう。
1人暗闇に取り残されたみたいで怖くて辛くて‥‥いっそ死んでしまいたくなる。

「おねーさんっ。1人?俺と遊ばね?」

ふいにかけられた声。
振り返ると、いかにもナンパしてますって雰囲気の男性が立っていた。

「1人‥ですけど‥」

「偶〜然!俺も1人なんだよね、ご飯でも行こうよ」

もうなんでも良いや。
帰ってもまた泣いてしまうだけ。
なら、今日はこの人に着いて行こう。

昨日あれだけ後悔したのに、私はまたその過ちを繰り返した。