目を覚ますともう朝だった。

どれくらい寝たんだろう‥。
電源が切れた携帯を充電器に繋ぎ、私は洗面台に向かった。

お母さんもお父さんも居ないって事は‥お昼くらいかな。
ちょうどいい、こんなにもあからさまに泣いた事が分かる顔じゃ2人に会えない。

食欲なんて出るはずがなく、顔だけ洗うと私はまた部屋に戻った。


「‥‥もしもし美雪?今何してる?」

「結っ!!‥あんた‥大丈夫なの?別れたって聞いたけど‥‥」

美雪は、高校の時の親友。
今のこの空っぽの私の隣に居てくれるのは美雪だけだと思った。
いつもみたいに一緒にバカ騒ぎをしたら、少しは気がまぎれる。

「あー‥‥うん、なんとか大丈夫。それより‥今から会えない?」

「‥話とか聞いてあげたいし一緒に居てあげたいんだけど‥‥今日引っ越しなんだ‥」


美雪は春から県外の専門学校に進学が決まった。
そういえば、春休みに入ったらすぐ引っ越しって言ってたっけ‥。

「あ‥‥そっか‥うん、大丈夫。また何かあったら連絡するね」

迷惑はかけられないと思い、私は手短に電話を切った。

1人で出かけようかな‥。
ショッピングでもしたら気分が晴れるかもしれない。

私は準備をして家を出た。