高校生の私には、ただ純粋に愛を捧げたいと思った彼氏がいた。
一緒に帰ったりデートをしたり、普通に手を繋ぎ、ドキドキしながらキスをして、体を重ね‥。
あの頃は本当に彼の事が大好きで、このままずっと一緒にいられる気がしていた。
「‥ごめん結、別れよう」
「‥‥‥え?‥なんで?‥‥嫌だよ」
別れは突然だった。
どんなに頑張って説得しても、彼が首を縦に振ることはなかった。
理由は分からない‥。
ただ一方的に振られ、大切な物を全て失ったような気がした私は‥‥自暴自棄になるしかなかった。
ただ一途に誰かを好きになるなんかバカバカしい。
どうせ振られてしまう。
本気になるから傷つくんだ‥。
なら、本気にならなければ良い。
そう考えた私が最初に手を出したのは、いわゆる出会い系サイト。
誰でも良かった。
大好きな彼がいなくなり、その隙間を埋めてくれるなら‥それだけで満足だった。
「君が結ちゃん??」
さすが出会い系だ。
たった数時間やりとりをしただけで会えてしまう。
運良く相手がおじさんとか、悪い人じゃなかった。
見た目はどこにでもいそうな普通の好青年。
好きなタイプじゃなかったけど、嫌いでもない。
私は言われるがままついて行き、気がつけばホテルの前だった。
「ちょっと疲れたし‥休んで行こっか?」
「そうですね、良いですよ」
これから起きる事はなんとなく予想出来てる。
疲れたなんて‥休憩なんて口実だ。
あんなサイトで出会ってるんだ‥体を求められるのは当たり前。
分かっていても、私はあえて断らなかった。
いろんな男の人と遊び、いろんな経験を重ねれば‥‥何かが変わる気がした。
強くなれると‥その時の私は思ってた。
