君愛ーきみあい



約束の日曜日。


今日も家まで迎えに来てくれるんだっけ。


先生と遊びに行くときは、お昼前に出かけて暗くなる頃には家に送ってくれる。


門限とかないし、高校の時は遅くまで遊んでたのに...。


男と遊び始めてからは夜中に帰るか朝帰り...もしくは泊まりだった。


何をそんなに気にしてるんだろう。


手を出すなら早めに出しといた方が楽だと思うんだけどな。









あれこれ考えてるうちに私の携帯がなった。



「おはよう。着いたよ」


「はーい。今から出ますね」


玄関を開けると、いつものように車の中で待つ先生がいた。


私が出てきたのを確認して助手席のドアを開けてくれる。



「よっ。今日は映画でも行こうか」


「良いですね。何見るんですか?」



微笑む先生と下手な愛想笑いの私。


先生との時間が楽しくないわけじゃない。


私に対してどんな事を望んで何を求めてるか分からないから、どう接して良いか分からないんだ。



誰かを愛する資格も愛される権利もない私は、ただ相手に壁を作る事しか出来なかった。