「わざわざ送って頂いてありがとうございました」
そう言ってドアに手をかけた時、先生はまた私を引き止めた。
「藍川、連絡先教えてよ」
あぁ、2回目に手を出すつもりなのか。
そしてこんな考えしか出来ない私はどこまでも捻くれている。
「良いですよ」
拒む理由なんてないから素直に携帯を出した。
「お前さ、誰とでもこうやってすぐ交換するの?」
「.....はい?」
なんなの?
教えてって言ったのは先生なのに、なんでそんな言い方するの?
「いや、ごめんなんでもない。また連絡する」
何がしたいのか全く分からなかった。
手を出してこないし、要望に答えたら変な質問をしてくる。
いったい何を考えてるの....?
ブブブッ
____今度の日曜日空いてる?
また先生からだ。
あれから毎日のように連絡が来て、何回か遊びに誘われた。
断る理由もないから、全てオッケーしてきた。
でも、何回遊びに行っても何度二人きりになっても...キスどころか触れてもこない。
そして、そんな先生の隣は少しだけ安心出来た___。
