君愛ーきみあい



「帰ろうか。家、どこだっけ?」


え?家....?


ホテルにでも連れ込むんじゃないの?


それとも、本当にドライブだけ?


いつもと違う展開にびっくり。


いや、これが当たり前の事なんだけど。


「えっと..前の高校の近くです」


私が呟くように伝えると、先生はただ微笑んで車を動かし始めた。



















「着いた。ごめんな、予定あったみたいなのに強引に誘って」

申し訳なさそうに言う先生の顔を、私は見ることが出来なかった。


予定って言うほど重要なものじゃないから。

セフレに会うだけだったから良いですよー。なんて言ったらどう思うのだろうか。

こんな子..嫌だよね?


今さら過去の事を後悔しても意味なんてないのに。


あぁ、この先ずっと私はこんな思いをしながら生きていくのか。


って、私みたいな人を本気で好きになる人なんていないか。