「‥‥またやってしまった」
今は何時だろう。
そこら辺に散らばった衣服を拾い集めながら、薄暗い部屋の時計に目を向ける。
午後7時すぎ‥‥。
このままここにいても仕方がない。
隣に寝ている彼を起こさないように服を着る。
軽く化粧と髪型を直し、私が家を出ようとベットから立った時、ふと腕を掴まれた。
「‥んんー‥‥結、帰んの?」
少し寝ぼけながら尋ねる彼の腕を、そっとどけながら私は答えた。
「うん。じゃあね」
特に引き止める事もせずに、彼はまた寝息を立て始める。
当たり前だ‥。
私たちはただのセフレ。
満足した後はお互いどうなろうとどうでも良い。
体だけの関係。
それ以上でも以下でもない。
平気な顔をして家を出たが、私の心は自己嫌悪でいっぱいだった。
もうこんな事やめるって決めたのに‥。
1人の男性をちゃんと好きになるって決めたのに。
求められると断れない。
‥‥‥こんな自分、大嫌いだ。
