みんなが教室を出て行く授業終わり。
部活に行くのか、それともそのまま帰るのか。
そんな後ろ姿を虚ろに目で追っていく俺、青野夏。
自分の机に腰を掛け、みんなの様子を見ている様はもうみんな見慣れたのか、俺のことなんて、一切気にも止めず、そくさかと、教室から去っていく。
……そのほうが都合がいい。
20分程たつと、教室には人影が無くなっていた。
「あ"ぁ"ー。」
おっさんみたいな声を出して椅子の背もたれに背中をあずける。
……誰も見てないんだから気にすることはなよな。
自分でそう納得してからふと教室の窓をみた。
空は橙色にそまりつつあって、日はもう陰り始めていた。
俺はそんな窓から目をはなし、机の引き出しに手をかけた。中も見ずに引き出しのなかをあさっていると一冊のノートに手があたる。それをなんのためらいもなく取り出した。
うんしょっと、またおっさんみたいな声を出しつつ背もたれから背をはなす。
フーと、深呼吸して俺はそのノートを開いた。
ぱらぱらとめくっていって、ふと開き癖のあるところでとまる。
馬鹿だよなぁ、俺。
その開いたページをなぞる。
そこにはクラスの集合写真がはさんであって、俺の指の先には一人の女子がいた。
……………相原優。
……
…俺の好きなやつ。
「アアアアアア///」
俺はそうさけびながらノートごと机に突っ伏した。
自分で思っておきながらなに顔赤くしてんだよ! 馬鹿か俺は!
っていうか写真ノートに挟んでるとかどんだけ気持ち悪いんだっての!
「ハー。」
というか、毎日毎日放課後こんなことやってるほうが気持ち悪いよな。
……帰るか。
「もうこういうことやめていい加減告白とかしたほーがいいよな。」
そういいながらノートを閉じて椅子からたった。
………
………いや、正確に言えばノートを閉じて椅子から転んだ。
「ナツ! なんなん?! 誰にコクるんよ?! え、うち聞いとらんやん?!」
俺が転んで床で腰をさすっているというのにそいつはそんなのおかまいなしというようにたたみかけるように質問してきた。
そう。
突っ伏した頭をあげると目の前には
……優がいた。
「お前いつからおったん?!っていうかなんでおるん?!」
俺がテンパりながら立って聞くと優は腕組みしながら悠々と答える。
「いつからって……ノート開いとるときかな。忘れ物とりにきたんよ。」
ヤベェ。マジであながあったらはいりてぇー。
「なんよ顔赤くして。誰なんよ。」
「調子のるな。てか聞くな!」
「誰なんよ。」
………………
…………
……
……あ…なんかきた。
… なんかスイッチ入った。
…もういいや。
…幼馴染みとか、そういう関係とか。
「なんなん、そんな知りたいん。」
自分でも驚くぐらいに冷たい声がでた。それに優も驚いたのか少しおとなしくなる。
「そ、そりゃ知りたいよ。夏のすきな奴がどんな人か気になるやん。」
「そうか。気になるか。」
俺は前髪を後ろにかきあげた。
一歩優に近づく。
すると優は一歩後ろに下がった。
「なんで下がるん。」
「……な、なんとなく。」
なんとなくね。
「俺の好きなやつ……聞きたい?」
「あ、えっと…も、もういいわ……ヒャッ。」
優が言葉を言い終わるうちに俺は優の手首を強くつかんだ。
そして、グイっと俺のところへ引き寄せる。
優はあっさりと引き寄せられ俺の胸元にきた。
……あれ。
……こいつこんなに力弱かったっけ?
握っている手首も俺がもう少し力を加えたら折れてしまいそうなほど細かった。
……そうか。生意気で男っぽくて口悪いコイツも
……女の子だったな。
……………
…………
………
/////
俺は優の手首から手をはなし、代わりに力強くでも優しく抱き締めた。
「俺の独り言ちょっときいてくれん?」
そう聞くと優は俺の胸元で首を小さく横にふった。
「はは、そうか。…まぁ聞かんでもいいわ。俺が勝手に話しとるだけやけん。」
「……知らん。」
「まぁそう言わんと。」
俺は優の返事も待たずに勝手に話し始めた。
とりあえずな俺はお前のことが好きなんよ。
「知らんわ。」
そりゃお前鈍感やもん。こんなことでもせんと気付かんかったやろ。
「はなして。」
あとな、案外俺ってしつこかったりするわけですよ。だから気持ち悪がられると思っていわをかったんやけんさ。
「離して。」
でもまぁ俺はお前のことが好きなんよ。
「………」
返事がなくなった優を俺から少しはなし、優の顔をのぞきこんだ。
「優はどうなん。」
「……知らん。」
「俺はお前のことが好き。」
「…/// し、知っとるし!!」
「へへ。知ってんのか。」
「し、知らん!!」
「へへ、知ってんのかぁー♪」
「知らんってゆうとるやん!!」
「そうかーそうかー」
「なーつー!!」
………まぁ、今日はこのくらいでいいか。
いっとらんかったけど、
俺は…
………好きなんて…愛してるなんて言葉じゃすまないぐらい、
お前が好きなんだ。
部活に行くのか、それともそのまま帰るのか。
そんな後ろ姿を虚ろに目で追っていく俺、青野夏。
自分の机に腰を掛け、みんなの様子を見ている様はもうみんな見慣れたのか、俺のことなんて、一切気にも止めず、そくさかと、教室から去っていく。
……そのほうが都合がいい。
20分程たつと、教室には人影が無くなっていた。
「あ"ぁ"ー。」
おっさんみたいな声を出して椅子の背もたれに背中をあずける。
……誰も見てないんだから気にすることはなよな。
自分でそう納得してからふと教室の窓をみた。
空は橙色にそまりつつあって、日はもう陰り始めていた。
俺はそんな窓から目をはなし、机の引き出しに手をかけた。中も見ずに引き出しのなかをあさっていると一冊のノートに手があたる。それをなんのためらいもなく取り出した。
うんしょっと、またおっさんみたいな声を出しつつ背もたれから背をはなす。
フーと、深呼吸して俺はそのノートを開いた。
ぱらぱらとめくっていって、ふと開き癖のあるところでとまる。
馬鹿だよなぁ、俺。
その開いたページをなぞる。
そこにはクラスの集合写真がはさんであって、俺の指の先には一人の女子がいた。
……………相原優。
……
…俺の好きなやつ。
「アアアアアア///」
俺はそうさけびながらノートごと机に突っ伏した。
自分で思っておきながらなに顔赤くしてんだよ! 馬鹿か俺は!
っていうか写真ノートに挟んでるとかどんだけ気持ち悪いんだっての!
「ハー。」
というか、毎日毎日放課後こんなことやってるほうが気持ち悪いよな。
……帰るか。
「もうこういうことやめていい加減告白とかしたほーがいいよな。」
そういいながらノートを閉じて椅子からたった。
………
………いや、正確に言えばノートを閉じて椅子から転んだ。
「ナツ! なんなん?! 誰にコクるんよ?! え、うち聞いとらんやん?!」
俺が転んで床で腰をさすっているというのにそいつはそんなのおかまいなしというようにたたみかけるように質問してきた。
そう。
突っ伏した頭をあげると目の前には
……優がいた。
「お前いつからおったん?!っていうかなんでおるん?!」
俺がテンパりながら立って聞くと優は腕組みしながら悠々と答える。
「いつからって……ノート開いとるときかな。忘れ物とりにきたんよ。」
ヤベェ。マジであながあったらはいりてぇー。
「なんよ顔赤くして。誰なんよ。」
「調子のるな。てか聞くな!」
「誰なんよ。」
………………
…………
……
……あ…なんかきた。
… なんかスイッチ入った。
…もういいや。
…幼馴染みとか、そういう関係とか。
「なんなん、そんな知りたいん。」
自分でも驚くぐらいに冷たい声がでた。それに優も驚いたのか少しおとなしくなる。
「そ、そりゃ知りたいよ。夏のすきな奴がどんな人か気になるやん。」
「そうか。気になるか。」
俺は前髪を後ろにかきあげた。
一歩優に近づく。
すると優は一歩後ろに下がった。
「なんで下がるん。」
「……な、なんとなく。」
なんとなくね。
「俺の好きなやつ……聞きたい?」
「あ、えっと…も、もういいわ……ヒャッ。」
優が言葉を言い終わるうちに俺は優の手首を強くつかんだ。
そして、グイっと俺のところへ引き寄せる。
優はあっさりと引き寄せられ俺の胸元にきた。
……あれ。
……こいつこんなに力弱かったっけ?
握っている手首も俺がもう少し力を加えたら折れてしまいそうなほど細かった。
……そうか。生意気で男っぽくて口悪いコイツも
……女の子だったな。
……………
…………
………
/////
俺は優の手首から手をはなし、代わりに力強くでも優しく抱き締めた。
「俺の独り言ちょっときいてくれん?」
そう聞くと優は俺の胸元で首を小さく横にふった。
「はは、そうか。…まぁ聞かんでもいいわ。俺が勝手に話しとるだけやけん。」
「……知らん。」
「まぁそう言わんと。」
俺は優の返事も待たずに勝手に話し始めた。
とりあえずな俺はお前のことが好きなんよ。
「知らんわ。」
そりゃお前鈍感やもん。こんなことでもせんと気付かんかったやろ。
「はなして。」
あとな、案外俺ってしつこかったりするわけですよ。だから気持ち悪がられると思っていわをかったんやけんさ。
「離して。」
でもまぁ俺はお前のことが好きなんよ。
「………」
返事がなくなった優を俺から少しはなし、優の顔をのぞきこんだ。
「優はどうなん。」
「……知らん。」
「俺はお前のことが好き。」
「…/// し、知っとるし!!」
「へへ。知ってんのか。」
「し、知らん!!」
「へへ、知ってんのかぁー♪」
「知らんってゆうとるやん!!」
「そうかーそうかー」
「なーつー!!」
………まぁ、今日はこのくらいでいいか。
いっとらんかったけど、
俺は…
………好きなんて…愛してるなんて言葉じゃすまないぐらい、
お前が好きなんだ。