好きだったよ。



「…辛くねーの?」


「えっ?」


窓の外をボーッと眺めていたら悠也くんがふと呟いた。


「なかなか告白すら出来ない相手にずっと恋してて辛くねーの?」


辛い……か。

辛くない、と言えば嘘になる。

でも、


「…私は自分の恋が叶わなくても、颯斗さんが壊れてしまわないように見守っていたいの
颯斗さんには幸せになって欲しい
…例え恋愛対象に見られなくても、妹扱いでも」


そう。

実の姉に恋をするなんて絶対辛いはず。

家族にも反対されてお姉ちゃんにも別れを告げられて。

それでも颯斗さんは諦められないんだ。

必ずいつか限界というものが来る。

だったらその颯斗さんを誰かが支えてあげなければならない。

だったらその “ 誰か ” は “ 私 ” がいい。


「優菜…」


悲しそうにこちらを見て私の名前を呼んだ悠也くんの声でハッとする。


「ごめんねっ!!
こんな重たい話…
とりあえず、私は颯斗さんが幸せになってくれたらそれで幸せなんだ
…ってことでこのお話は終わり!!
私もまとめるの終わったからもう帰ろ?」


私が席を立ってカバンに荷物をまとめ始めると悠也くんも席を立ち教室のドアを開けた。
そしてドアのところで待ってくれてる。


「一緒に帰るだろ?」


待ってくれている。

あんな話があったようなあとの顔ではなく、いい笑顔で。


「うん!」


そして学校を出た。