車に乗ってから沈黙が続く。
いつもの颯斗さんならどんどん話しかけてくれるのに…
やっぱり様子がおかしい。
「…颯斗さん何かあったんですか?」
私から話を持ちかけてみた。
「何も無いよ
ごめん、何か心配かけちゃった?」
「いえ…
じゃあさっき車から降りてきた女の人は誰だったんですか?」
私がそう言うと目を見開く颯斗さん。
「…見てたんだ…」
車が止まり、俯く颯斗さん。
「ごめんなさい…」
あまりにも落ち込んでいる颯斗さんを見ると申し訳ない気持ちになり、謝った。
「謝ることはないよ
…さっきのは姉ちゃんだよ」
お姉さん…?
でもお姉さんからハグしてたように見えた。
「俺さ…姉ちゃんが好きって言ったじゃん?
姉ちゃん、俺の気持ち知ってるんだ
だからか…俺が早く諦めがつくように他の人と付き合ってて…
本当にその人が好きなのか聞いたら好きだってさっき言われたんだ」
「颯斗さん…私…」
無意識に話し出したところで後ろからクラクションが鳴る。
気がつけば青に変わっていた。
「後ろの車に迷惑かけちゃった
ごめん、こんな弱いところ見せて」
「いえ…
知ってるの私だけですし…弱いところ見せてください
颯斗さんの力になりたいです」
ありがと、と言って颯斗さんは少し照れた顔を見せた。

