「颯斗さん…?」


呼びかけても呆然としているので私も視線の先を見る。

そこにいるのはスーツ姿の女の人と男の人。

会社帰りだろうか?

だけど女の人の雰囲気が誰かと似ているような…


「颯斗さん…?
あの人達がどうかしたんですか?」


やっと声が届いたのか颯斗さんはハッとして俯いた。


「…あのOLが俺の好きな人。」


え…


そしてさらに衝撃を受ける


「あの人は俺の姉ちゃんだよ」



そう告げた颯斗さんの顔はとても辛そうだった。



そこで私はやっと颯斗さんの叶わない恋を理解した。


私は颯斗さんの支えになりたい。

さらに強く思った。