好きだったよ。




「学校はどう?
…まだ慣れてはないよね、でも楽しい?」


颯斗さんは運転しながら私と話す。


「楽しいですよ
すぐに友達できたんです
しかも入学式始まる前に声をかけてくれて…!」


あの時悠也くんが声をかけてくれた時のことを思い出すと嬉しさがこみ上げて来る。

私が嬉しげに話していると、颯斗さんはふわっと笑う。


「そうだったんだ
よかったね、友達すぐに出来て」


信号待ちだったせいか颯斗さんが私の方を見てニコッと笑い、頭をポンポンとした。


「…っ、颯斗さん!
信号青ですよ!!」


私は何とか誤魔化し、颯斗さんを前に向かせた。


私は両手で頬を包む。

絶対に今、顔赤い…と言えるほど熱を持っていた。

だけど舞い上がっている時間は数秒で終わってしまう。


「本当に優菜ちゃん可愛いなぁ…
俺の妹みたいだ
実の妹だったら嬉しいのにな」


そう隣で話した颯斗さん。


「…颯斗さんが、実のお兄ちゃんなら自慢の兄です。」


そうかな?と言って運転に集中した颯斗さん。

颯斗さんが運転中でよかった。

私が決めた道なのにさっきとは一転して笑顔が作れない。

だから下を向いて堪えた。


次に彼が私を見るとき、私が笑っていないと彼を困らせてしまう。


必死で溢れ出しそうな感情を殺した。