学校へは電車で行く。

今日は入学式なのでお母さんと一緒に。

制服を着て電車に乗ってるのは不思議な感じ。

これから電車で友達と一緒に通ったりするのかな?

学校に着くまでの間、期待と不安を持ちながらそんな事を考えていた。


「すごい…」


学校の門に着いた時、私は思わず口を開いた。

桜がたくさん咲いていた。

それはもう数え切れないほどの桜が。


「前に合格発表を見に来た時は桜の季節じゃなかったものね。
この学校とてもいい所ね」


お母さんも気に入ったようだ。

この桜…颯斗さんと見れたらな…

そんなことをふと思ってしまった。


「…叶う筈ないのに…ね…」


私は桜を見上げながら小さく呟いた。