第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

「お前...、『狂人』なんか?」


サラフィリアが驚きを隠せていない顔で言った。
それより、真剣に俺の噂は何処まで広がっているのだ。


「勝手に呼ばれるだけだ...。迷惑な話だぜ。」

「あ、あんたがあの『狂人』ッ!!?」


指をさしてサラフィリアは俺に言った。
さっきまで、俺そう呼ばれてたろ。話を聞いておけよ。


「おい、ギフト。俺ってそんなに有名だったのか?」


情報を流した張本人に尋ねる。


「うーん。生きる伝説並かな。」


如何してそうなった。
唯の殺人鬼じゃなかったのか、俺は...。
生きる伝説って何だよ、そんなものになって覚えもないし、なるつもりもない。
しかも目立つ。
これでは明らかに目立つ...。
これは、いち早く手を打つべきだ。
如何する...。
いや、考えるだけ面倒だ。
全員殺るか、近い内に。


「そうしよう。」

「何する気なの?セルリア。」


俺はギフトを睨んだ。