第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

放心状態で俺は作られた道を歩いた。
両側から輝かしい視線が俺に向かって、飛ばされていた。
セルルート通りの住人は全員イカれているのか、真剣に俺はそう思った。

俺は漸くギフト達の元に辿り着く事が出来た。
出来事にしては数分程しか経っていないが、俺はもう重度の疲労感に苛まれていた。


「お疲れ。」


ディーブが俺のコートの裾を握って言った。


「俺、この通り大嫌いだ...。」

「モテモテだったじゃないか!!いや〜流石『狂人』。」


煽り半分、笑い半分でギフトが言う。
マジに恨むぞ...ギフト。


「良かったじゃん、セルリア。ヤリたい放題だね。」

「何しれっと下ネタ言ってんだ!!手前ェは!!!」


忘れかけていたがドールは、あれでも28歳だった。
そもそもラーベスト兄弟は見た目が若過ぎる。老化が止まっているのか。