第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

ギフトが拘束から解放されると、ベッドから足を伸ばした。
両手を上にあげ背伸びをする。
約3週間も拘束されていた所為か、骨の音が酷い。

俺達にまであのボキボキという音が聞こえてきた。
正直心地良いものではない。
ギフトが背伸びをし終えると、大声でドールを呼んだ。
そんな原始的な方法で来るのか、と思っていたが...来た。
ドールよ。お前はそれでいいのか(色んな意味で)


「なぁに♥?兄さん♥」

「僕を運べ。勿論丁寧にだぞ。」

「はぁい♥」


今更の事だが、俺はドールを好きになれそうにない。
今まで割と多くの人間を見てきたと自負するが、このタイプは無理だ。生理的に...。

ドールがギフトを横抱きにする。
何でその抱え方になったのかは、敢えて聞かないでおこう。


「それじゃ〜行こうか。セルルート通りへ。」