家に無事辿り着いた。
気が付けば既に昼を回っていた。
腹が空いていることさえ、俺は忘れていたのか。
あれだけの事があれば、当然かもな。
納得せざるおえない...。


「お腹減った...。」


ディーブが俺のコートの裾を引っ張った。
それと同時に誰かの腹の音が鳴った。
視線を泳がせると、サラフィリアが顔を赤くしていた。
お前の音かよ...。

これはまず、腹を満たしてからではないと話が進みそうにないな。
かと言ってもこの中で料理が作れる者はいない。

サラフィリアは解らないが、見た目からして出来そうには思えない。
俺とディーブは論外だ。
何時も食事を作ってくれるギフトはベッド拘束されている。
俺はため息を吐くと、自分の椅子に座って目を閉じた。


「何してんだよ。」

「...ケビンを呼んでいるんだ。」


サラフィリアとディーブの会話が聞こえてきたが、俺は気に止めなかった。
頭の中でケビンを呼ぶ。
ケビンは頭がいい、その分様々な知識を保有している。
勿論料理も例外ではない。

前回にも何度か、ケビンに作ってもらった事がある。
ケビンはあまり乗り気では無かったが...。