第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

席を確保しただけで、少し疲れた俺はディーブに寝ると一言言った。


「病み上がりだから、仕方無いよ...。」

「なんか、優しいな...如何した?」


ディーブは俺に寄り掛かって頭を擦りつけた。


「...如何もしてない。」

「そーかよ。」


俺はディーブの頭の上に顎を置いて言った。


「痛い。」

「そんな痛くねぇーだろ。」

「痛いもん...。」


俺はディーブの頭の上で顎を動かす。
ディーブが手を上にあげて、俺の頭をどかす。


「止めてって...バーカ。」


拗ねた口調で言った。
俺は謝罪の言葉を述べると、背もたれに身を預けた。