第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

side:セルリア
ベッド拘束から解放されて、数日が経った頃。
あれから依頼は来ておらず、時間を持て余している俺は1人ソファーに座って、TVを見ていた。

大して面白い番組は無く、今見ているサスペンスドラマのチャンネルを、リモコンで変えた。
どのチャンネルに変えても、俺の気を引く番組など無かった。

諦め半分でもう一度チャンネルを変える。
丁度ニュース番組が放送されていた。
やれ失踪だ、やれ死去だなんて俺にとって、とてもつまらない内容だ。
ニュースキャスターが新しいニュースを読み上げる。


『続いてのニュースです。今日未明こちらの爆弾魔から、調整局に予告状が送られてきたもようです。...』


この御時世にご丁寧に予告状出すだなんて、随分な奴だ。
TVに映し出された爆弾魔の顔を見る。
金髪に黒のメッシュが入っている。顔はピエロのような奇抜なメイクが、施されている。

勝手な想像だが俺の中での爆弾魔は男なのだが、意外にもニュースに出ている爆弾魔は女だった。
女が爆弾か...物騒になったものだな。


「...サラフィリア・マークか...。」


TVで放送された爆弾魔の名前を、なんとなく呟いた。