第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

俺は倒れている男に近寄った。少し痙攣を起こしている男の手から、剣を取った。


「こいつは頂くぜ。」


そう言って、奪った剣で男の喉元を突き刺した。勢いよく血が吹き出る。
暫くすると男は動かぬ只の肉と成り果ててしまった。

先程まで痛い程感じていた視線も無くなっていた。尻尾巻いて帰ったのか。
意気地無しだな、隠れているだけで怯えたのか。
今更だがなんで男が倒れたんだ。


「なぁ、ディーb...」

「スタンガンだよ。1回で気絶するように改造したやつ。」

「お前...なんつーもん造ってんだよ。」


つか、こんな和んでる場合じゃない。
早く教会へ向かわなくては...。
俺は半強制的にディーブを担ぐと、教会へ向けて全速力で走った。