家に帰り着く頃には、すっかり体が冷えきっており、手足の感覚は殆ど無かった。
血色も無い状態で帰ってきた時には、ギフトとディーブに無駄な心配をかけされてしまった。

俺はギフトに導かれ、やっとのことで風呂場に辿り着く事が出来た。凍えたおかげで、服を脱ぐ事さえままならなかった。
漸く服を脱ぎ終えると、半ば勢いで風呂に入った。

冷えきった体には湯の温度が、熱く感じられ熱さで声にならない叫びをあげた。
数十分我慢して入っていると、体が温まってくる。
ある程度温まると俺は、体と髪を洗って風呂から上がった。
新しい服に着替えると、濡れている髪をバスタオルで拭きながら、リビングへ向かった。

リビングにはギフトとディーブの姿しか見えず、ドールはもう寝てしまったという事が伺えた。


「温まったかい?セルリア。」

「お陰様でな。」


そう言うとギフトは俺にホッとミルクを渡してくれた。
ディーブは俺を睨んでいる。何か不服な事でもしてしまっただろうか。


「コートは?」


嗚呼、その事か。
俺は申し訳なさそうにディーブに言った。


「つい興奮しちまって、コート使えなくなった。」

「それでも本当に19歳なの?風邪ひいても知らないからね。」


そういう割にはちゃんと介護する癖に...。
俺はそう思いつつ、ホッとミルクを口に運んだ。