side:セルリア
ギフトからの電話の後、ドールが適当な理由を付けてギフトの命令を遂行しに向かった。
ギフト直々の命令だからか、屋敷に来てから1番の笑顔だった。
まぁ、其れは如何でも良い事だが...。問題はギフトが俺に言った事だ。
モガルと言う奴が襲いに来るとの事だが...、ギフトは気を付けろとか言ってなかったが。(基本、重要な事は伝えない奴だけど...。)
半殺しってのが気に掛かるが、ギフト曰くお気に入りとの事だから、また目でも見たんだろう。
其れにしても目を見せる間柄なのに、俺達を襲いに来るってのは如何言う事だ。
つか、モガルって誰だよ!?
「おい、犯罪者。」
「んだよ、調整局員。」
あちらから声を掛けておきながら、盛大に舌打ちをかまされた。
喧嘩売ってんのか。殺すぞ、此奴。
「良いのか?」
「は?何が。」
「金髪の事だ。」
嗚呼、ドールの単独行動の事か。
「いや、寧ろ何処に心配すんだよ。」
「...犯罪者が信頼する心をもちあわせているのか。」
「信頼っつより、疑う所がねぇーんだよ。
あんだろ、そう言うの。」
キースは眉間に深い彫りを作って、マロンに視線を向けていた。
そう言う間柄なんだろうな。俺には全く持って関係ない話だが...。
「黒...セルリア。」
「間違えてんじゃねぇーぞ。」
「ごめんなさい...。」
白ウサギを隣にアリスが声を掛けてきた。
「もう直ぐなのね。」
「唐突に何だよ?」
「もう、終わるんでしょ。」
何を言っているのか解らず、俺は頭を掻いた。
其れを見兼ねて公爵婦人が助け舟を俺に寄越してくれた。
「この戦いの事です。」
「あぁー...もう少しな。多分。」
途端に鋭い殺気を感じた。
キースと公爵夫人も同様に勘付いた様だ。
肌を刺す空気は、常人の殺気では無い事を物語っていた。
次第にカツカツと廊下を歩いて来る足音が微かに鼓膜を刺激し始めた。
まさかとは言いたいが...これが、此奴がギフトの言っていたモガルって奴じゃねぇーだろうな...。
ふざけんなよ、マジで...。
今、戦える奴と言ったら俺とキースと公爵夫人の3人だ。
しかし公爵夫人は戦闘の経験が俺やキースと比べてかなり浅い。
恐らく居るだけで邪魔になるだろう。
公爵夫人にはガキ共の護りが妥当って所だろうな。
となると、となるとだ...。
自然と俺とキースで迎え撃たなくてはならない。
ドールならまだしも、キースと...。
同伴してるだけでも軽蔑されているってのに...。
「最悪だ...。」
小さくそう零した。
寝静まる頃には、ケビンにこっ酷く叱られるな。あ、まだ眠ってるんだったな。
頭を抱え溜息を吐いた。
「公爵夫人。」
「何です?」
公爵夫人も危機感を感じているのか、返事の声は頼りないものだった。
「ガキ共連れて遠くに行け。」
「え...?」
拍子抜け、正にそんな声だ。
「ガキ共連れてどっか行けっつったんだ!早くしやがれ!!ぶっ殺すぞッ!!」
ガン飛ばして怒鳴ると、公爵夫人は腑に落ちない様子だがガキ共の手を引いて、足音とは反対の廊下を掛けて行った。
残された俺とキースの間に、重苦しい静寂と、禍々しい足音だけが空間を埋めていた。
「手を貸せ。」
余りに自然に声を掛けて来たので、俺は言葉を理解するのに時間が掛かった。
「今...何て?」
「手を貸せと言ったんだ。何度も言わせるな、犯罪者。」
「いやー、超意外で...」
「今回だけだ。次、会った時は捕まえて死刑にしてやる。」
「おぉ〜、そいつは怖ェーな。」
嫌味を込めて微笑んだ。
案の定キースは汚物を見る目で俺を見た。
ギフトからの電話の後、ドールが適当な理由を付けてギフトの命令を遂行しに向かった。
ギフト直々の命令だからか、屋敷に来てから1番の笑顔だった。
まぁ、其れは如何でも良い事だが...。問題はギフトが俺に言った事だ。
モガルと言う奴が襲いに来るとの事だが...、ギフトは気を付けろとか言ってなかったが。(基本、重要な事は伝えない奴だけど...。)
半殺しってのが気に掛かるが、ギフト曰くお気に入りとの事だから、また目でも見たんだろう。
其れにしても目を見せる間柄なのに、俺達を襲いに来るってのは如何言う事だ。
つか、モガルって誰だよ!?
「おい、犯罪者。」
「んだよ、調整局員。」
あちらから声を掛けておきながら、盛大に舌打ちをかまされた。
喧嘩売ってんのか。殺すぞ、此奴。
「良いのか?」
「は?何が。」
「金髪の事だ。」
嗚呼、ドールの単独行動の事か。
「いや、寧ろ何処に心配すんだよ。」
「...犯罪者が信頼する心をもちあわせているのか。」
「信頼っつより、疑う所がねぇーんだよ。
あんだろ、そう言うの。」
キースは眉間に深い彫りを作って、マロンに視線を向けていた。
そう言う間柄なんだろうな。俺には全く持って関係ない話だが...。
「黒...セルリア。」
「間違えてんじゃねぇーぞ。」
「ごめんなさい...。」
白ウサギを隣にアリスが声を掛けてきた。
「もう直ぐなのね。」
「唐突に何だよ?」
「もう、終わるんでしょ。」
何を言っているのか解らず、俺は頭を掻いた。
其れを見兼ねて公爵婦人が助け舟を俺に寄越してくれた。
「この戦いの事です。」
「あぁー...もう少しな。多分。」
途端に鋭い殺気を感じた。
キースと公爵夫人も同様に勘付いた様だ。
肌を刺す空気は、常人の殺気では無い事を物語っていた。
次第にカツカツと廊下を歩いて来る足音が微かに鼓膜を刺激し始めた。
まさかとは言いたいが...これが、此奴がギフトの言っていたモガルって奴じゃねぇーだろうな...。
ふざけんなよ、マジで...。
今、戦える奴と言ったら俺とキースと公爵夫人の3人だ。
しかし公爵夫人は戦闘の経験が俺やキースと比べてかなり浅い。
恐らく居るだけで邪魔になるだろう。
公爵夫人にはガキ共の護りが妥当って所だろうな。
となると、となるとだ...。
自然と俺とキースで迎え撃たなくてはならない。
ドールならまだしも、キースと...。
同伴してるだけでも軽蔑されているってのに...。
「最悪だ...。」
小さくそう零した。
寝静まる頃には、ケビンにこっ酷く叱られるな。あ、まだ眠ってるんだったな。
頭を抱え溜息を吐いた。
「公爵夫人。」
「何です?」
公爵夫人も危機感を感じているのか、返事の声は頼りないものだった。
「ガキ共連れて遠くに行け。」
「え...?」
拍子抜け、正にそんな声だ。
「ガキ共連れてどっか行けっつったんだ!早くしやがれ!!ぶっ殺すぞッ!!」
ガン飛ばして怒鳴ると、公爵夫人は腑に落ちない様子だがガキ共の手を引いて、足音とは反対の廊下を掛けて行った。
残された俺とキースの間に、重苦しい静寂と、禍々しい足音だけが空間を埋めていた。
「手を貸せ。」
余りに自然に声を掛けて来たので、俺は言葉を理解するのに時間が掛かった。
「今...何て?」
「手を貸せと言ったんだ。何度も言わせるな、犯罪者。」
「いやー、超意外で...」
「今回だけだ。次、会った時は捕まえて死刑にしてやる。」
「おぉ〜、そいつは怖ェーな。」
嫌味を込めて微笑んだ。
案の定キースは汚物を見る目で俺を見た。


