相も変わらずフェスターニャは不機嫌だ。一応フェスターニャは女の子なんだから軍人と戦わせるわけには...。
いや、本音は僕の護衛だけど。
ズボンのポケットから携帯電話を取り出し、電話帳からドールへと連絡を入れた。
1コールが終わらない内にドールは電話に出た。
『なーに?兄さん♥』
「気持ち悪い位に出るの早いよね。」
『でも嬉しいでしょ?ボクが嬉しいんだもん♥兄さんも同じだよね♥』
そんな訳無いだろ。死んじゃえば良いのに。
『で、如何したの?兄さん♥』
「今手空いてるか?」
『うん♥『不思議の国』のメンバーも順調に集めてるよ♥』
「そう...。伯爵が陸軍の軍人を雇ってるっぽいんだよね。お前だったら簡単に殺れるだろ。1人で行って終わらせてくれるよね。」
『其れは兄さんがボクを頼ってくれているって事!?1人でって事は、其れ程信頼してる事だよね?嗚呼、兄さん任せてよ♥♥あ、殺し方は如何しよう?兄さんの好きな撲殺?グチャグチャにしたら兄さんはもっと褒めてくれる?ねぇ、ねぇ♥兄さんの期待に応えたら兄さんはもっと愛してくれる?愛してくれるよね♥♥』
「もし、お前を1番愛す時が来るとしたら、其れはお前が1番冷たくなった時だよ。」
『♥♥♥♥』
「あぁ、セルリアに少し変わってくれない?」
ドールは少し名残惜しそな声を出してセルリアと変わった。
彼奴の声で耳が腐れるかと思った。
『...何だよ?』
「やぁ!!セルリア!!気分は如何だい?好調かな?」
『如何って言われてもな...。』
「まぁ、元気なら其れで良いんだよ!!!少しすればモガルがそっちに襲いに来るだろうし。」
『は!?いや、モガルって誰だよ!?つか、襲うって!?』
セルリアの挙動に笑いが込み上げて来た。本来なら僕と同年代だと言うのに、初々しい反応が何とも言えない。
セルリアのそう言う所好きだよ。
「で、其の事なんだけど、ドールは別件で別行動してもらうから。
まぁ、何とか頑張ってね。」
『おいおい、嘘だろ...。ふざけんなよ、ギ......“ジュラル”』
“ジュラル”...成る程。
セルリアにしては気が利くじゃないか。
其処に、一緒に居るんだね。
キースとマロンが...。
「アハハ!君のそう言う所...本当大好きだよ。」
『キモイ事言ってんじゃねぇーぞ。
で、其の、誰だ?』
「モガル、ね。」
『あぁ、其れ其奴が来るっつ事だろ。』
「早い話ね。あ、でも殺しちゃ駄目だよ。僕のお気に入りだから。」
『半殺しか?』
「まぁ、そんなトコ。」
『解った。じゃーな。』
電話を切り背伸びをした。ついでに欠伸も。
「マスター...。」
悲しそう、と言うよりやり切れないと言った表情でフェスターニャが僕のコートを引く。
「如何したんだい?何時もの君らしくない。」
「...もっと、頼って...下さい。あんな奴等なんかじゃなく...」
「君には僕の護衛があるのに不服なのかい?」
「いえ!?そんな!とんでもないです!!!」
「なら、其れで良いじゃないか。君は君自身を見失いがちだよ。」
フェスターニャの頭を撫でてやれば、彼女はそれなりに機嫌を取り戻した。
次に僕はハートの女王の方へ再度歩み寄り、力無い彼女の身体を背負った。
「何してんの!?あんた!」
「何って、君は“背負う”って言葉を知らないのか?」
「そうじゃ無くて!何で背負ったの!?」
男は僕の為す事する事に事細かく口を挟む。
この口五月蝿さ、白ちゃんみたいだ。
「だって君、怪我してるだろ。」
「でも...」
「何?何なのさ?
あのね。恐らく年下だろうと思う君にあれこれ言うのは、凄く面倒な事だけど言うよ。君が五月蝿いから。
さっきもそうだったけど、今も見て解らないの?僕は君等を助けてあげようとしてるんだよ。僕等は君達の害になる様な事はしない。絶対だ。何なら約束しようか?」
「いや...でも、何で?」
男は控え目にそう聞いてきた。
僕はちゃんと笑顔を作ってこう言った。
「“依頼”だからね。廃墟に居るお仲間さん達も無事だよ。腕の良い医者が知り合いにいるんだ。」
其れを聞いて男は子供の様に泣き出した。
突然に泣き出すものだから、流石の僕も驚いて何も言えなかった。
解った事は、彼等は大声で泣き喚きたい程追い詰められていた事だ。
いや、本音は僕の護衛だけど。
ズボンのポケットから携帯電話を取り出し、電話帳からドールへと連絡を入れた。
1コールが終わらない内にドールは電話に出た。
『なーに?兄さん♥』
「気持ち悪い位に出るの早いよね。」
『でも嬉しいでしょ?ボクが嬉しいんだもん♥兄さんも同じだよね♥』
そんな訳無いだろ。死んじゃえば良いのに。
『で、如何したの?兄さん♥』
「今手空いてるか?」
『うん♥『不思議の国』のメンバーも順調に集めてるよ♥』
「そう...。伯爵が陸軍の軍人を雇ってるっぽいんだよね。お前だったら簡単に殺れるだろ。1人で行って終わらせてくれるよね。」
『其れは兄さんがボクを頼ってくれているって事!?1人でって事は、其れ程信頼してる事だよね?嗚呼、兄さん任せてよ♥♥あ、殺し方は如何しよう?兄さんの好きな撲殺?グチャグチャにしたら兄さんはもっと褒めてくれる?ねぇ、ねぇ♥兄さんの期待に応えたら兄さんはもっと愛してくれる?愛してくれるよね♥♥』
「もし、お前を1番愛す時が来るとしたら、其れはお前が1番冷たくなった時だよ。」
『♥♥♥♥』
「あぁ、セルリアに少し変わってくれない?」
ドールは少し名残惜しそな声を出してセルリアと変わった。
彼奴の声で耳が腐れるかと思った。
『...何だよ?』
「やぁ!!セルリア!!気分は如何だい?好調かな?」
『如何って言われてもな...。』
「まぁ、元気なら其れで良いんだよ!!!少しすればモガルがそっちに襲いに来るだろうし。」
『は!?いや、モガルって誰だよ!?つか、襲うって!?』
セルリアの挙動に笑いが込み上げて来た。本来なら僕と同年代だと言うのに、初々しい反応が何とも言えない。
セルリアのそう言う所好きだよ。
「で、其の事なんだけど、ドールは別件で別行動してもらうから。
まぁ、何とか頑張ってね。」
『おいおい、嘘だろ...。ふざけんなよ、ギ......“ジュラル”』
“ジュラル”...成る程。
セルリアにしては気が利くじゃないか。
其処に、一緒に居るんだね。
キースとマロンが...。
「アハハ!君のそう言う所...本当大好きだよ。」
『キモイ事言ってんじゃねぇーぞ。
で、其の、誰だ?』
「モガル、ね。」
『あぁ、其れ其奴が来るっつ事だろ。』
「早い話ね。あ、でも殺しちゃ駄目だよ。僕のお気に入りだから。」
『半殺しか?』
「まぁ、そんなトコ。」
『解った。じゃーな。』
電話を切り背伸びをした。ついでに欠伸も。
「マスター...。」
悲しそう、と言うよりやり切れないと言った表情でフェスターニャが僕のコートを引く。
「如何したんだい?何時もの君らしくない。」
「...もっと、頼って...下さい。あんな奴等なんかじゃなく...」
「君には僕の護衛があるのに不服なのかい?」
「いえ!?そんな!とんでもないです!!!」
「なら、其れで良いじゃないか。君は君自身を見失いがちだよ。」
フェスターニャの頭を撫でてやれば、彼女はそれなりに機嫌を取り戻した。
次に僕はハートの女王の方へ再度歩み寄り、力無い彼女の身体を背負った。
「何してんの!?あんた!」
「何って、君は“背負う”って言葉を知らないのか?」
「そうじゃ無くて!何で背負ったの!?」
男は僕の為す事する事に事細かく口を挟む。
この口五月蝿さ、白ちゃんみたいだ。
「だって君、怪我してるだろ。」
「でも...」
「何?何なのさ?
あのね。恐らく年下だろうと思う君にあれこれ言うのは、凄く面倒な事だけど言うよ。君が五月蝿いから。
さっきもそうだったけど、今も見て解らないの?僕は君等を助けてあげようとしてるんだよ。僕等は君達の害になる様な事はしない。絶対だ。何なら約束しようか?」
「いや...でも、何で?」
男は控え目にそう聞いてきた。
僕はちゃんと笑顔を作ってこう言った。
「“依頼”だからね。廃墟に居るお仲間さん達も無事だよ。腕の良い医者が知り合いにいるんだ。」
其れを聞いて男は子供の様に泣き出した。
突然に泣き出すものだから、流石の僕も驚いて何も言えなかった。
解った事は、彼等は大声で泣き喚きたい程追い詰められていた事だ。


