除き込んでいる俺の視線が気になったのか、マロンは少し戸惑いの表情を浮かべつつ尋ねてきた。
そんなに物怖じしなくとも、俺は何もするつもりは無いのだが...。
やはり顔が怖いのか?
「な、何スか...?」
「様子見だが...。何で怯えてんだよ?」
「殺人鬼が目の前に居て怯えない方がおかしいっスッ !!!」
作業を止める事無く叫び気味にマロンが言った。
“殺人鬼”か...マロンの俺に対しての印象はあながち間違ってはいないが、改めて面と向かって言われると何か違う様な気がする。
俺は、自身の事を“殺人鬼”だと思っていない。これは自覚が無いのと同じだろうか。
初めは経済的な事情でやっていた事が、何時の間にか快楽を本能的に求めてする様になってしまった。
唯其れだけだ。本当に其れだけなんだ。
「...そうなのか。まぁ、安心しろよ。約束は守る方だからな。」
「嘘臭いっス...。あ、解除終わったっスよ。」
マロンは鉄の扉に手を掛けゆっくりと力を掛けた。
錆び付いた金属の音と共に、扉の奥に光が差し込む。
マロンの隣に立ち俺も扉に手を掛けた。
重い扉だ。この奥に白ウサギと言う人間が居るのか...。
まるで、鳥籠だな。
人一人が通れる程扉が開いた所で、俺とマロンは手を降ろした。
ガキが待ちきれないと言った感じで中に入ろうとしたが、手で制した。
罠が無いとは言い切れないからな。
「俺が入る。」
返事は返ってこなかった。意見は無いと言う事か。
ナイフを握り締め俺は物音を抑えて足を進めた。
扉の奥は気味の悪い闇が支配していた。
本当に人が居るのか。
疑問を感じられずにいられなかったが、今はそんな事考えている暇は無い。
耳を澄ませる。自身の呼吸音をなるべく立てないよう注意する。
意識を俺自身から徐々に外側へ、周囲へ向ける。
か細い呼吸が聞こえた。
怯えているのか息がブレている。
当たり前か、突然扉が開いて知らない人間が入って来たのだからな。
怖いのは、当たり前だ。
「居るんだろ?早く来いよ。」
「※#$∀★§?」
聞き慣れない言葉が鼓膜を揺すった。
普通に考えて白ウサギの声だとは思うが...まさか外人だったのか。
まぁ、オークションから競り落としたのだからおかしい話では無いが...。
俺はカルラ語以外話せねぇーぞ。
「取り敢えずこっちに来い!」
「※#$∀★§?」
先程と同じ発音だ。
だからと言って何かが解った訳では無い。
寧ろ如何すれば良いのか解らなくなった。
ケビンが起きていれば状況が変わったかもしれないが...。
無い者に縋っても進展などしない。
頭を悩ませていると視界に刺激の強い光が差し込んできた。
暗闇に目が慣れていた所為か其の光に目が眩んだ。
暫くして目が慣れた。状況を把握する為に辺りに目をやる。
この光は蛍光灯だ。其の蛍光灯を点けた犯人は、マロンだった。
一体何をしているんだ...。
「わ、悪気はなな、、な無かったんスよ!!ほ、ホントっス!!!」
何を勘違いしているのか知らないが、血相変えて謝られても此方が困るだけだ。
変に喋って脅したと勘違いされるのも面倒なので放っておこう。
そんなに物怖じしなくとも、俺は何もするつもりは無いのだが...。
やはり顔が怖いのか?
「な、何スか...?」
「様子見だが...。何で怯えてんだよ?」
「殺人鬼が目の前に居て怯えない方がおかしいっスッ !!!」
作業を止める事無く叫び気味にマロンが言った。
“殺人鬼”か...マロンの俺に対しての印象はあながち間違ってはいないが、改めて面と向かって言われると何か違う様な気がする。
俺は、自身の事を“殺人鬼”だと思っていない。これは自覚が無いのと同じだろうか。
初めは経済的な事情でやっていた事が、何時の間にか快楽を本能的に求めてする様になってしまった。
唯其れだけだ。本当に其れだけなんだ。
「...そうなのか。まぁ、安心しろよ。約束は守る方だからな。」
「嘘臭いっス...。あ、解除終わったっスよ。」
マロンは鉄の扉に手を掛けゆっくりと力を掛けた。
錆び付いた金属の音と共に、扉の奥に光が差し込む。
マロンの隣に立ち俺も扉に手を掛けた。
重い扉だ。この奥に白ウサギと言う人間が居るのか...。
まるで、鳥籠だな。
人一人が通れる程扉が開いた所で、俺とマロンは手を降ろした。
ガキが待ちきれないと言った感じで中に入ろうとしたが、手で制した。
罠が無いとは言い切れないからな。
「俺が入る。」
返事は返ってこなかった。意見は無いと言う事か。
ナイフを握り締め俺は物音を抑えて足を進めた。
扉の奥は気味の悪い闇が支配していた。
本当に人が居るのか。
疑問を感じられずにいられなかったが、今はそんな事考えている暇は無い。
耳を澄ませる。自身の呼吸音をなるべく立てないよう注意する。
意識を俺自身から徐々に外側へ、周囲へ向ける。
か細い呼吸が聞こえた。
怯えているのか息がブレている。
当たり前か、突然扉が開いて知らない人間が入って来たのだからな。
怖いのは、当たり前だ。
「居るんだろ?早く来いよ。」
「※#$∀★§?」
聞き慣れない言葉が鼓膜を揺すった。
普通に考えて白ウサギの声だとは思うが...まさか外人だったのか。
まぁ、オークションから競り落としたのだからおかしい話では無いが...。
俺はカルラ語以外話せねぇーぞ。
「取り敢えずこっちに来い!」
「※#$∀★§?」
先程と同じ発音だ。
だからと言って何かが解った訳では無い。
寧ろ如何すれば良いのか解らなくなった。
ケビンが起きていれば状況が変わったかもしれないが...。
無い者に縋っても進展などしない。
頭を悩ませていると視界に刺激の強い光が差し込んできた。
暗闇に目が慣れていた所為か其の光に目が眩んだ。
暫くして目が慣れた。状況を把握する為に辺りに目をやる。
この光は蛍光灯だ。其の蛍光灯を点けた犯人は、マロンだった。
一体何をしているんだ...。
「わ、悪気はなな、、な無かったんスよ!!ほ、ホントっス!!!」
何を勘違いしているのか知らないが、血相変えて謝られても此方が困るだけだ。
変に喋って脅したと勘違いされるのも面倒なので放っておこう。


